
振袖とブーツは、おしゃれで見栄えする組み合わせの一つです。
しかし、成人式のような式典でも合わせて良いのかと不安な方も、具体的なコーデの仕方が分からず困っているという方も多いでしょう。
この記事では、成人式に振袖とブーツを合わせて良い理由や、振袖にブーツを合わせる際のポイント、注意点などについて詳しくご紹介します。
振袖にブーツを合わせて良いの?
振袖とブーツは、成人式に合わせても問題ありません。
成人式は、そもそも完全にフォーマルな場ではなく、第一礼装を着る必要がないためです。
第一礼装とは、未婚女性の場合は振袖を指し、フォーマルな場では着こなし方にも細かなマナーやルールがあります。
しかし、完全にフォーマルな場ではない成人式では、完璧な着こなしを求められません。
ネイルを付けていく人も、髪を盛っていく人も、アクセサリーを付けていく人もいます。
足元のブーツだけNGということは基本的にないため、安心して合わせてみてください。
振袖とブーツのコーデはいつ生まれた?
振袖とブーツの組み合わせは、明治~大正時代に生まれたとされています。
靴の流行は、急速に西洋化が進んだ明治時代に始まり、その頃には草履や下駄に代わって徐々に洋靴が使われるようになっていきました。
洋靴の一つであるブーツも、当時の官僚や軍人のような立場のある人から広まっていったとされます。
本格的に振袖とブーツが組み合わされるようになったのは、大正時代頃です。
大正時代末期には、新しい考え方を持った女性を指す「モダン・ガール」が生まれ、洋装や和洋折衷のファッションが流行したとされています。
振袖と組み合わせるブーツ選びのポイント
振袖とブーツを上手に組み合わせるためには、まずブーツ選びが大切です。
ここでは、振袖に合わせるブーツ選びのポイントを、4つ見ていきましょう。
脱ぎ履きのしやすさ
ブーツは、脱ぎ履きがしやすいかどうかを考えて選びましょう。
成人式ではブーツを脱ぎ履きする機会があり、脱ぎ履きしづらいと振袖が着崩れることがあるためです。
例えば、ブーツの底面から側面にかけてゴム素材(サイドゴア)が使われたサイドゴアブーツは、脱ぎ履きがしやすくておすすめです。
また、同様に脱ぎ履きがしやすいブーツとしては、サイドにファスナーやジッパーが付いたサイドジップブーツも挙げられます。
サイドジップブーツを履くときは、ファスナーを下げて立ったまま履き、裾を押さえながら膝を半分ほど曲げて、ファスナーを上げるとスムーズです。
編み上げブーツのようにおしゃれなブーツを選ぶときも、脱ぎ履きのしやすさは必ず確かめてから購入してみてください。
丈の長さ
ブーツの丈の長さは、振袖に合ったものを選ぶことが大切です。
ブーツには、大きく分けてショート丈、ミディアム丈(ミディ丈)、ロング丈があり、特に振袖に合わせるブーツでおすすめなのはミディアム丈です。
ショート丈は、足元がすっきり見えるものの、振袖の裾の長さ次第で素足が見えてしまうことがあります。
また、印象がカジュアルに寄り過ぎてしまうこともあるでしょう。
ロング丈は、ややフォーマルな印象になるものの、その長さのために脱ぎ履きが面倒に感じられやすく、振袖を着崩してしまうリスクが上がります。
ミディアム丈は、カジュアルとフォーマルな印象の中間で、脱ぎ履きがしやすく、素足も見えないことから、バランスが良いという特徴があります。
デザイン
ブーツのデザインは、基本的にシンプルデザインがおすすめです。
シンプルなデザインのブーツほど、合う振袖の幅が広いためです。
ブーツは、衛生的な問題から振袖レンタル店でレンタルをおこなっておらず、自身で購入することが珍しくありません。
振袖とブーツの相性をお店で直接確かめる機会も限られることから、どのようなコーデでも失敗しづらい、シンプルデザインのブーツを選びましょう。
具体的には、ストレッチブーツやジョッキーブーツのような、シンプルデザインを選ぶのがおすすめです。
レトロ風に仕上げたいのであれば編み上げブーツ、モードな印象にしたければしっかりとしたごつめのブーツ、可愛く仕上げるならファー付きのブーツも選択肢です。
また、身長を高く見せて見栄えを良くしたいのであれば、ヒールありのブーツを選びましょう。
色や素材
ブーツの色や素材は、コーデに合わせたものを選ぶのが大切です。
失敗しづらさでは、黒や茶色、白などがさまざまな振袖に合わせやすいという特徴があり、おすすめです。
おしゃれに自信がある方は、振袖の地色や柄色、和装小物の色から取るのも選択肢といえます。
振袖の地色に合わせれば統一感が出て、柄色や和装小物の色から取ればアクセントになります。
素材は、革製でツルツルしたブーツが、振袖らしい綺麗めな印象のコーデに合うためおすすめです。
スエードのブーツなら可愛いらしい印象を作りやすく、ベルベットのブーツであれば、高級感あって上品な印象になります。
迷ってしまう方は、革製のブーツが合わせやすく無難です。
草履と比較!振袖にブーツを組み合わせるメリットとは
振袖に合わせる定番には、草履があります。
ブーツと草履は、見た目以外にも、メリットにも違いがあります。
ここでは、草履と比較して、ブーツを選ぶメリットを見ていきましょう。
温かくて冬場にぴったり
草履と比べ、ブーツは温かいというメリットがあります。
成人式は1月という冬場におこなわれるため、足元が冷えがちです。
草履の場合は足袋で防寒性を高められるものの、足首程度までの長さしかないため、大きな防寒効果は見込めません。
ブーツであれば、足がしっかり覆われており、違和感なく靴下やタイツ、ストッキングなどを履くことができます。
より防寒性の高いミディアム丈も選ぶことができる点もメリットです。
また、革やゴム素材が使われており、雪解けや雨で路面が濡れていても、水がブーツに染みこむことがないため、安心感があります。
歩きやすい
ブーツであれば、振袖でも歩きやすいというメリットもあります。
普段は靴を履いている方にとって、ブーツは違和感なく、歩きやすさが感じられます。
草履は鼻緒を足指で挟むため、慣れていない方には歩きづらく、長時間履くのは足指が痛くなることもあり得ます。
一方で、脱ぎ履きのしやすさでは、草履のメリットが大きいです。
草履の脱ぎ履きは、鼻緒から足を離す、鼻緒に足指を通すというだけで、しゃがんだりファスナーを下ろしたりということがありません。
歩きやすさを重視するのであればブーツ、脱ぎ履きを重視するのであれば草履を選ぶのがおすすめです。
普段使いもできて実用的
ブーツは、基本的に自身で購入するもののため、購入すれば普段使いもできるというメリットがあります。
洋服に普段使いすることも想定するのであれば、ブーツはシンプルデザインで使い勝手の良いものを選ぶと良いでしょう。
一方、草履の場合は、成人式だけでなく、結婚式のようなフォーマルな場所にも履いていきやすいというメリットがあります。
ただし、和装でなければ使いづらいため、今後に結婚式や祝賀会のような、振袖や着物を着る機会が控えていないのであれば、草履は購入ではなくレンタルがおすすめです。
スタイルアップしやすい
ブーツは、自然とスタイルアップしやすいというメリットがあります。
ブーツは足元をすっきりとスタイリッシュに見せてくれる他、ヒールで脚長効果も見込めるためです。
一方、近年は厚底の草履があるため、脚長効果でスタイルアップを目指している方にとっては草履も選択肢といえるでしょう。
ただし、草履と振袖を組み合わせると、歩幅を小さくする必要があり、慣れていない方には厚底の草履は歩きづらいというデメリットがあります。
歩き方が不格好になってしまうこともあるため、スタイルアップしたい方にはブーツがおすすめです。
草履でスタイルアップを考えている方は、無理のない底の厚さを選んでみてください。
個性的なコーデにしやすい
振袖とブーツの組み合わせなら、個性的なコーデにしやすいこともメリットです。
成人式は、一生に一度しかないイベントのため、他の人とコーデを被らせたくないという方は珍しくありません。
草履でなくブーツにすることで、他の方と被りにくい個性的なコーデになり、自分らしさを演出したり、自分ならではのセンスを表現したりできます。
脱ぎ履きしにくいロングブーツを選んでおしゃれさを強調したり、色選びや素材選び、和装小物との組み合わせで他の人と差を付けたりすることも可能です。
コーデの幅も広く、おしゃれになりたい人におすすめです。
別のコーデを選ぶ楽しさがある
振袖とブーツを選べば、成人式と、前撮りや後撮りで別のコーデを楽しむ選択肢も生まれます。
例えば、前撮りや後撮りではフォーマルに振袖と草履の組み合わせですが、成人式ではカジュアルにブーツで出席するといったことも可能です。
レンタルする振袖は1つでも、ブーツや草履などに合わせてコーデを変えれば、2通りのおしゃれを楽しめます。
振袖レンタル店では、基本的に草履やバッグなど、和装小物はセットでレンタルさせてくれます。
別々のコーデをしようと考えれば、レンタルした草履を持てあますこともありません。
具体的な振袖とブーツのコーデ例
では、振袖とブーツはどのように組み合わせれば良いのでしょうか。
ここでは、具体的なコーデの例を、色や柄などに注目して6つご紹介します。
色に注目したコーデ例
まずは、色に注目したコーデの例を3つ見ていきましょう。
ブーツに合わせたい振袖には、定番の赤い振袖や、モノトーンカラーの振袖、カラフルな振袖などがあります。
赤い振袖×ブーツ
成人式で定番の赤い振袖には、黒いブーツを組み合わせるのがおすすめです。
地色の赤には、黒、白、ゴールドといった、上品さやゴージャスさを引き立てる色を合わせるのが基本のためです。
脱ぎ履きしやすいサイドゴアブーツやサイドジップブーツで、厚底やヒールありのブーツを選ぶと、より大人っぽいコーデに仕上がります。
振袖の柄に黒が入っているものを選んだり、和装小物に黒が使われているものを選んだりすると、より統一感が出ておすすめです。
モノトーンカラーの振袖×ブーツ
黒や白、グレーなど、モノトーンカラーの振袖には、同じくモノトーンのブーツを合わせるのがおすすめです。
例えば、モノトーンカラーの振袖には、同じくモノトーンカラーの黒いブーツがマッチします。
黒い振袖に黒いブーツを合わせると、上品さやモード感などを演出でき、白やグレーの振袖に対しては黒いブーツがアクセントになるためです。
他にも、黒い振袖に白いブーツを合わせるのも、足元が軽やかに見えておしゃれです。
ワントーンでまとめて統一感を出したり、シンプル・暗い印象になることを避けるなら、おしゃれな編み上げブーツで華やかさをプラスしたりすると良いでしょう。
カラフルな振袖×ブーツ
ビビットカラーが使われたカラフルな振袖には、同じくビビットカラーのブーツを合わせるのがおすすめです。
白や茶色では、上品過ぎて合わないことがあるためです。
例えば、振袖に使われた色と同じく、ピンクや黄色、水色など、ポップな色合いから選びましょう。
髪飾りや和装小物なども、多色使いにすると良く、ヘッドドレスやニット帽、ふわふわな手袋など、洋装と合わせるコーデもおすすめです。
ガーリーになり過ぎる場合は、黒いブーツや黒のバッグといった小物と合わせて引き締めた印象を作るのもおしゃれです。
柄に注目したコーデ例
次に、柄に注目して、振袖とブーツのコーデ例を3つ見ていきます。
ブーツに合わせる振袖の柄は、大きく分けて古典柄やレトロ柄、モダン柄があります。
古典柄の振袖×ブーツ
古典柄の振袖に合わせるブーツは、黒やベージュなど、上品な色のブーツがおすすめです。
古典柄の振袖は、上品さや品格など、クラシカルな雰囲気を持っているためです。
ブーツがカジュアルに寄ってしまうと、古典柄の振袖の良さが損なわれてしまうことがあります。
ヒールがあるブーツを選ぶと、自然と背筋もピンと伸び、上品にスタイルアップした印象を作れるため、おすすめです。
編み上げブーツでより華やかさを高められるものの、脱ぎ履きはしにくくなってしまう点に注意してみてください。
レトロ柄の振袖×ブーツ
レトロ柄の振袖には、大正ロマンを感じさせる黒や茶の編み上げブーツがおすすめです。
レトロ柄とは、懐かしさのある、大正~昭和頃に流行した振袖の柄のことを指します。
大きな柄が入ったシンプルなデザインや、昔に人気があった花柄が使われていたり、色味にくすみカラーのようなレトロ感が取り入れられたりしているのが特徴です。
レトロ柄は、古典柄が使われたクラシカルな振袖と違い、大正ロマンといったコーデが似合いやすいという特徴があります。
ブーツだけでなく、髪型や和装小物までレトロ感のあるものを選んで、シンプルにまとめてみてください。
モダン柄の振袖×ブーツ
モダン柄の振袖には、自分が好きなブーツを合わせるのがおすすめです。
モダン柄とはいわゆる現代柄のことで、昔にはなかった新しい柄のことです。
洋風な柄が珍しくないため、洋靴であるブーツと親和性が高いという特徴があります。
洋風で個性的なコーデが似合いやすいため、選びにくいロング丈ブーツやショート丈ブーツも選択肢に入れることができます。
厚底ブーツやヒール高めのブーツでも、手袋や黒のバッグなど、現代的で洋風な小物を合わせれば、まとまった印象になります。
振袖とブーツを着こなすための注意点
振袖とブーツを合わせ、上手に着こなすためには、さまざまな注意点があります。
ここでは、特に注意したい事柄を5つ見ていきましょう。
ヒールは高すぎないブーツを選ぶ
ブーツのヒールは、高すぎないものを選ぶようにしましょう。
ヒールが高いと歩きづらく、振袖を着崩しやすくなってしまうためです。
振袖が着崩れると直すのが大変で、着崩れを直すためにトイレのような場所を探して移動するのも面倒に感じられるでしょう。
ヒールが高いと歩きづらく、立っている時間や移動する時間が長いほど、振袖で過ごす時間が辛くなってしまうことが考えられます。
そのため、3センチ以下のローヒールか、3センチ以上7センチ未満のミドルヒールあたりがおすすめです。
振袖との相性を考える
振袖の中には、ブーツと合いづらい振袖もある点に注意が必要です。
例えば、古典柄の振袖には、デザインや素材などに高級感が漂う、正礼装として着るのが相応しいものもあります。
その場合は草履の方が合い、ブーツと無理に合わせるとおしゃれさを損なってしまうことがあり得ます。
そのため、用意したブーツと古典柄の振袖が合わない場合には、和装小物や髪形などで雰囲気を馴染ませる工夫が必要です。
どうしても合わない場合は、振袖を選び直し、同系色のレトロ柄やモダン柄などから検討してみましょう。
試着の際にブーツは持参する
振袖とブーツを合わせたい方は、試着の際に持参するようにしましょう。
振袖レンタル店に草履はあっても、ブーツは用意されていないことが珍しくないためです。
振袖の裾も、ヒールの高さに合わせて短く着付けるため、ブーツと振袖の相性を確かめるには、持参するのが一番といえるでしょう。
成人式の当日に合わせると、「ブーツとの色合いが合っていない」、「思ったより歩きづらい」などが発覚して、ドタバタしてしまうこともあります。
せめてスマートフォンで撮影した画像を持参して、スタッフに確認してもらうのがおすすめです。
成人式の雰囲気を考慮して選ぶ
振袖とブーツの組み合わせは、シーンを考慮して選びましょう。
振袖とブーツは、基本的に成人式で合わせて問題ないものの、カジュアル感のある組み合わせのためです。
参加する成人式が、フォーマルな服装を相応しいとしているのであれば、振袖とブーツを組み合わせるより草履を履いた方が良いこともあります。
成人式の雰囲気を見ながら、ブーツか草履か検討しましょう。
また、結婚式や祝賀会のようにフォーマルなシーンでは相応しくないため、注意が必要です。
振袖ならではの歩き方を意識する
振袖とブーツを合わせるのであれば、特に歩き方に注意しましょう。
ブーツは歩きやすい洋靴で、歩き方を意識しないと普段と変わらない歩き方になってしまいがちなためです。
草履の場合は勝手が違うこともあり、自然と歩幅を狭めて歩けますが、ブーツの場合は普段通り歩いてしまいます。
それにより、着崩れてしまったり、裾がはだけてしまったりといったトラブルが起こってしまいます。
ブーツを履く場合も、スタッフに振袖ならではの歩き方を教わり、意識して振袖らしい歩き方を心掛けましょう。
ブーツと合わせたい素敵な振袖は振袖Fe.memeへ
この記事では、振袖とブーツが成人式におすすめの理由や、振袖に合わせるブーツ選びのポイント、コーデ例や注意点など、詳しくご紹介しました。
振袖とブーツは、基本的に成人式に合わせても良く、現在のトレンドともいえる、おしゃれな組み合わせでもあります。
丈の長さやデザインなどに気を付けて、自身に合ったブーツを選び、一度しかない成人式を華やかに飾ってみてください。
振袖Fe.memeでは、成人式に着ていきたくなるような素敵な振袖を、多数取り扱っています。
振袖は購入だけでなく、振袖レンタル店でレンタルもできますので、ぜひブーツと組み合わせて着てみてください。