振袖を着付けるために必要な小物は、多くの種類があります。
中には自分で用意しなければならない小物もあるため、成人式当日に慌てないように、注意が必要です。
ここでは、振袖を着る際に使用する小物や、用意しておくと便利な小物まで、詳しく解説します。
振袖の着付けに必要な小物一覧
振袖を着付けるために必要な小物は、さまざまです。
どのようなものがあるか、詳しく見ていきましょう。
振袖(中振袖)
振袖は、成人式の主役ともいえる着物です。
未婚女性が着用する正式な和装で、最も格式の高い第一礼装に当たります。
袖が長いのが特徴で、袖の長さによって大振袖、中振袖、小振袖と分かれています。
成人式で用いられるのは主に中振袖で、大振袖は主に婚礼に、小振袖は主に卒業式で用いられます。
帯(袋帯)
帯は、振袖の腰あたりに巻くもので、振袖を引き立てる役割があります。
ただ巻き付けるだけでなく、二重太鼓結びや文庫結びなど、さまざまな結び方で楽しむことが可能です。
また、丸帯、袋帯、名古屋帯、半幅帯などに分かれており、成人式では主に袋帯を使用します。
ひと際豪華な丸帯は、婚礼のようなフォーマルなシーンで花嫁が使用し、名古屋帯や半幅帯は、カジュアルなシーンで使用します。
肌襦袢(肌着)
肌襦袢は、和装用の肌着のことです。
汗を吸収し、振袖が汚れるのを防ぐ役割を持っており、下着の上、あるいは肌の上に直接着用します。
振袖が傷むのを防ぐ肌着には裾よけがあり、肌襦袢と裾よけが一体になったスリップタイプと、分かれているセパレートタイプがあります。
スリップタイプは着物に慣れていない方でも着やすいですが、ふくよかな体型の方にはセパレートタイプがおすすめです。
長襦袢
長襦袢は、肌襦袢の上に着るインナーのことです。
肌襦袢の上に着るもので、振袖にしわができないよう形を整える土台の役割と、肌の露出を防止する役割を持っています。
また、長襦袢は衿や袖から見えるため、振袖の内側に着込むおしゃれでもあります。
白が基本の肌襦袢と違い、長襦袢は色や柄、刺繍などが入っているものもあるのが特徴です。
半衿
半衿は、長襦袢の地衿部分に縫い付ける、取り外し可能な布のことです。
首元は、ファンデーションや整髪剤、汗や皮脂などで汚れることが多いです。
そのため、取り外し可能な半衿を、長襦袢に取り付けて保護します。
また、振袖の衿元を飾る装飾品でもあることから、おしゃれな色柄や刺繍が付いた半衿もあります。
フォーマルシーンでは白が無難ですが、成人式では、個性の演出や華やかさを持たせるために、色柄や刺繍の付いた半衿も検討すると良いでしょう。
衿芯
衿芯は、半衿の形を整えるための小物です。
長襦袢の地衿に半衿を縫い付け、その内側に差し込むように、衿芯を取り付けます。
それにより、ぴしっと折り目のない半衿に、形を整えることができます。
プラスチックのような固い素材でできていますが、折り曲がりやすいため、取り扱いには注意が必要です。
折り曲がった跡が付くと、取り付けても、その跡が見えてしまうことがあります。
伊達衿(重ね衿)
伊達衿(重ね衿)は、振袖の衿に重ねて付ける飾り用の衿です。
取り外しできる本物の衿ではないため、伊達眼鏡のような意味合いで伊達衿、あるいは衿を重ねることから重ね衿と呼ばれます。
半衿が長襦袢に取り付けるのに対し、伊達衿は、振袖自体に縫い付けるか、クリップやピンなどで固定して使います。
衿元のおしゃれは目を引くため、ぜひ振袖着用時には検討してみてください。
帯板(前板・後板)
帯板は、帯にしわが付かないように形を整える小物です。
帯を直接体に巻き付けると、体型による凹凸によって帯にしわができ、美しく見えなくなることがあります。
帯板を帯の前後に挟むことで、しわが寄らず、美しい形に整えることが可能です。
なお、帯の前に挟むものを前板、後に挟むものを後板と呼び分けることがあります。
フォーマルなシーンに付ける前板は、形をしっかり整えるため、サイズが大きくなっています。
帯枕
帯枕は、帯結びを美しく見せるための小物です。
枕のようにふくらんだ形になっているのが特徴で、帯の後ろに取り付けることで、帯結びの土台となってくれます。
特に、お太鼓結びのような飾り結びをおこなうことが多い振袖にとっては、帯枕が必須です。
帯枕があることで、帯結びが立体的に、美しく見えます。
帯結びによっては不要なこともありますが、飾り結びの際は、適した厚みやサイズの帯枕を使用するのがおすすめです。
帯揚げ
帯揚げは、帯の上側に結ぶ、装飾用の布地のことです。
帯揚げを帯の上側に結ぶのは、引き締まった印象や可愛らしい印象を作るだけでなく、腰紐や帯枕を隠すためでもあります。
振袖は帯枕を使用することが多いため、振袖を着用する場合には、必要性が高い小物といえるでしょう。
色柄を振袖や帯に合わせて選ぶことで、統一感を持たせたり、アクセントを加えたりできます。
また、花やリボンのように結ぶことで、華やかさも持たせることが可能です。
帯締め
帯締めは、帯が崩れないように押さえ、固定する結び紐です。
帯の中央に結ぶことで帯を支える役割を持ちますが、仕上がりを左右するワンポイントの装飾にもなっています。
帯締めには、布に綿を詰めた「丸ぐけ」と紐を編み込んで作る「組紐」の2種類があり、組紐はさらに、平組紐や冠組、高麗組など組み方で名称が分かれます。
色合いや結び方で個性を演出でき、帯締めに帯留めのようなアクセサリーを取り付けることで、より華やかな印象を作ることができます。
腰紐
腰紐は、長襦袢や振袖がそれぞれ着崩れないよう固定する紐のことです。
腰紐という名称ですが、丈の位置決めの際に腰に結ぶだけでなく、衿の位置を決める際に胸に結ぶこともあります。
帯を結ぶ前の仮紐として代用することも、体型を補正する際に使用することもあり、用途は幅広いです。
基本的に使用するのは5~6本ですが、人によって必要な本数が違うため、着付けをする方に聞いて用意しておくと良いでしょう。
腰紐は、素材や幅によって固定力が違うため、その点についても確認しておくとスムーズです。
伊達締め
伊達締めも、腰紐と同様に、長襦袢と振袖を固定する役割を持つ紐です。
腰紐は、長襦袢や振袖を体に密着させるのに対し、伊達締めは腰紐をより強力に固定しつつ、周囲を平らに整えて美しいラインを作ってくれます。
美しいラインを作るために、腰紐よりも厚みと幅があるのが特徴です。
長襦袢や振袖それぞれに1本ずつ使うため、合計2本使うと考えると良いでしょう。
三重仮紐
三重仮紐は、帯結びを固定するために使う紐のことです。
ゴム紐や紐が三重になっており、帯を飾り結びした際に、崩れにくくしてくれます。
他にも二重仮紐や四重仮紐などがありますが、振袖の飾り結びで使用するのは、主に三重仮紐です。
飾り結びの過程で、作った羽や矢などの形を固定し、最後は帯の中にしまい込み、見えなくします。
お太鼓結びの際には使用しないこともありますが、他の飾り結びでは使うことがあるため、ぜひ用意したい小物といえるでしょう。
足袋
足袋は、振袖のような和装に欠かせない履物です。
洋服でいう靴下に当たり、足に直接履いて使います。
和装では靴の代わりに草履を履き、草履は、足の親指と人差し指で鼻緒を挟む必要があります。
そのため、足袋の指先は、親指と人差し指で二股に分かれているのが大きな特徴です。
履く際には、小鉤(こはぜ)という留め具を使って固定します。
草履
草履は、振袖のような着物に合わせる伝統的な履物です。
指で挟む鼻緒があり、底面が平らになっているという特徴があります。
似た履物には草鞋や下駄がありますが、草鞋のように足首を固定する紐はなく、下駄のように底面に歯(凹凸部分)はありません。
足袋は白が多いのに対し、草履は色柄が豊富で、振袖に合わせてさまざまに選ぶことができます。
フォーマルなシーンに近いほど、高さがある草履を選ぶと、より雰囲気に合うでしょう。
素足は厳禁のため、草履を履く際には、足袋も併せて用意してください。
バッグ
バッグもまた、振袖に合わせる小物の1つです。
振袖にはポケットのような収納スペースがないため、スマートフォンや財布などを持ち歩くために必要になります。
和装用の小さなハンドバッグやクラッチバッグが人気ですが、敢えて洋装用のバッグを用いて個性を演出する方もいます。
なお、バッグは、振袖や帯などの色柄に合わせるのが基本です。
振袖の地色に合わせて統一感を持たせたり、アクセントカラーに合わせてよりおしゃれに見せたりという使い方をすると良いでしょう。
ショール
ショールは、肩に羽織る装飾品です。
振袖をより豪華で華やかに見せるショールは、成人式では定番のおしゃれの一つです。
また、成人式が冬におこなわれることもあり、防寒対策としても大きな意味があります。
肌襦袢や長襦袢などを着ていても、首元からは冷えた空気が入り込むため、寒さを感じることがあります。
ショールを首に巻くことで、首や肩周りの防寒対策をすることが可能です。
鳥の羽を使った羽ショール(フェザーショール)、動物の毛皮のファーショールなど、ショールの種類もさまざまです。
髪飾り
髪飾りは、髪をより豪華に見せてくれるヘアアクセサリーです。
成人式では、ヘアセットやメイクもして、頭からつま先までをしっかり整えます。
髪が振袖の印象に負けないように、髪飾りもぜひ検討しましょう。
振袖に合わせて、つまみ簪や水引といった和風な髪飾りを選ぶのも、日本らしい生花や造花を使った髪飾りを選ぶのもおすすめです。
洋風にアレンジする場合には、洋風な花飾りのコサージュを選んでも良いでしょう。
なお、生花の場合は、長持ちするように下処理が必要になります。
振袖を着る際にあると便利なものとは
振袖を着付けるために必須ではないものの、あると良い小物をまとめています。
着付けベルト(着物ベルト)
着付けベルト(着物ベルト)は、衿の着崩れを防ぐための小物です。
ゴムベルト、あるいはゴム紐の両端に、クリップが付いています。
身八ツ口に通して、背中側からおはしょりの両端をクリップで止めることで、衿元が整った状態を長くキープできます。
場合によっては伊達締めを付けず、より楽に振袖を着ることも可能です。
衿元が崩れると、だらしない印象になり、伊達衿もうまく決まりません。
なくても良いですが、着付けベルトを用意しておくと、メリットが多いといえます。
和装ブラジャー
和装ブラジャーは、振袖や浴衣など着物を着る方のためにデザインされた、和装専用の下着のことです。
和装は、凹凸がないシルエットが似合いやすいといわれており、長時間身に付けると衿元も崩れてきます。
そのため、和装ブラジャーは、バストトップを押さえて綺麗なラインに見えるようにし、衿元が崩れるのを防ぐ役割を持っています。
なくても良いですが、より美しく見えるようにシルエットまで気を配りたい方にはおすすめです。
補正パッド
補正パッドも、持っておいた方が便利です。
上述したように、振袖は凹凸がないシルエットの方が美しく見えます。
補正パッドは、ウエストに巻き付けて、ウエストの凹凸を整えるために使用します。
必須ではありませんが、ウエストにくびれがあり、シルエットが崩れてしまうという方は、和装ブラジャーと併せておすすめです。
タオルや脱脂綿などでも代用できるため、和装用の補正パッドを購入するハードルが高く感じられる方は、そちらを検討してみましょう。
着物ストッキング
着物用のストッキングも、防寒のために用意しておくのがおすすめです。
足袋はある程度の厚みがありますが、足首の部分が短く、足元が冷えることがあります。
雪が降るような地域では、特に寒さを足元から感じるでしょう。
着物用のストッキングは、主に足首から上側を防寒できるようにデザインされています。
着物の裾とスレにくくなり、汗や皮脂による汚れも防止しやすくなるというメリットもあるため、できる方は用意すると良いでしょう。
振袖レンタルは、自分で用意する小物がある?
振袖を着る機会が1回だけという方であれば、レンタルがおすすめです。
振袖一式と小物の大半が揃っており、費用も安くできます。
ただし、レンタルする店舗や、その店舗のプランによって、どの小物を自分で用意しなければならないかは変わってきます。
例えば、肌襦袢や足袋、補正用パッドやタオル、着物ストッキング、髪飾りのように、肌に直接付けるものは、自分で用意することが多いでしょう。
また、ヘアメイクに使う道具は、料金に含まれており、店舗が用意してくれることがあります。
しかし、こだわりがある方や敏感肌の方などは、ヘアメイクに使う道具を自分で用意した方が良いことがあるでしょう。
店舗やプランによって必要なものが違うため、何が必要かは確認することが大切です。
チェックリストを準備し、当日までに準備をしておくと良いでしょう。
素敵な小物と合わせたい華やかな振袖を振袖Fe.memeで
この記事では、振袖を着るために用いる小物や、準備したい便利な小物などについて、詳しく解説しました。
小物の中には、自分で用意すべきものがあり、店舗やプランなどによっても変わってきます。
店舗のスタッフに確認しながら、成人式の準備を進めていきましょう。
バッグや髪飾りなど、素敵な小物を用意するのであれば、小物に負けないように華やかな振袖を用意するのがおすすめです。
振袖Fe.memeでは、成人式を迎える女性に相応しい、華やかな振袖をご用意しています。
さまざまな振袖レンタル店でレンタルできますので、ぜひこの機会に振袖Fe.memeの振袖をご利用ください。